友達に戻るということ
2008-03-22
付き合っていた頃と何も変わっていない。
時々彼が私の部屋にやってきて、
私がご飯を作ったり
ビデオを見たり
じゃれあったり。
抱きしめられて眠り、二人して笑いながら朝陽を眩しく思ったりしている。
そう、なにひとつ変わっていないはずだ。
★★
「ねえ、知ってた?」
「何を?」
私は4杯目のワインに酔いかけていた。
仲良しの同僚が楽しそうに語りだす。
「ミナちゃん、最近、営業のサエキさんとつきあってんだって」
「・・えっ」
グラスを持つ私の手が空中で止まった。
彼が私の身体に燃え尽きそうなほどの情熱を残していったのはつい昨日のことではなかったか。
「どうしたの?」
震えて自分自身を抱きしめている私に同僚は驚いていた。
「大丈夫、飲みすぎたみたい・・で、ミナちゃんがどうしたって?」
私は無理におどけてみせた。
「うん、ミナちゃんから直できいたのよ、のろけだね、あれは完全に」
「サエキさんから告ったのかな?」
「そうみたいよ、ずっと前からサエキさんにデートに誘われてたらしいよ。
ずっとサエキさんミナちゃんのこと狙ってたんだろうね。ミナちゃんかわいいもんね」
「・・・そうだね」
ずっと前?私と別れたいと彼が言い出した頃からだろうか。
私はグラスのお酒をぐいっとあおった。
このまま酔いつぶれてしまえばよいのかもしれない。
★★
春が過ぎ夏になっていた。
真夜中のチャイム。
こんな常識はずれの訪問者は彼しかいない。
「久しぶり、遊びにきた」
のんきにそんなことを言う彼は酔っているみたいだったがとても楽しそうだった。
彼はコンビニの袋を私に押し付けた。
缶ビールやつまみなどが入っていた。
「ご機嫌みたいね」
「さっきまで営業の奴と飲んでた」
「まだこれ、飲むの?」
「・・それもいいけどお前のほうがいいかな」
次の瞬間、乱暴に私は彼に押し倒されていた。
冷たいフローリングの感触、いつになく手荒な動作に私は悲しくなっていた。
いつのまにか寝てしまった彼をベッドに残し私はひとり浴室に向かった。
涙がとまらなかった。
声を出して泣いていた。
流れ続けるシャワーを浴びても私の心があたたまることはなかった。
彼が眠りに落ちる前につぶやいた言葉にうちのめされていた。
『・・・ミナ・・・』
きっと私は彼にとって都合のいい女になったのだろう。
いつでも抱けて文句ひとついわない女。
恋人から友達への降格。
本当はわかっていたのだ。
何もかも前とは違ってしまっていたのだということを。
→
彼が誰と付き合おうとそれをやめてとは言えない、
要するに彼を束縛することができない、
これが恋人から友達になるということですよね。
もちろんお互いに思いを残していない二人なら本当の意味での友達になることはできるかもしれません。
時々彼が私の部屋にやってきて、
私がご飯を作ったり
ビデオを見たり
じゃれあったり。
抱きしめられて眠り、二人して笑いながら朝陽を眩しく思ったりしている。
そう、なにひとつ変わっていないはずだ。
★★
「ねえ、知ってた?」
「何を?」
私は4杯目のワインに酔いかけていた。
仲良しの同僚が楽しそうに語りだす。
「ミナちゃん、最近、営業のサエキさんとつきあってんだって」
「・・えっ」
グラスを持つ私の手が空中で止まった。
彼が私の身体に燃え尽きそうなほどの情熱を残していったのはつい昨日のことではなかったか。
「どうしたの?」
震えて自分自身を抱きしめている私に同僚は驚いていた。
「大丈夫、飲みすぎたみたい・・で、ミナちゃんがどうしたって?」
私は無理におどけてみせた。
「うん、ミナちゃんから直できいたのよ、のろけだね、あれは完全に」
「サエキさんから告ったのかな?」
「そうみたいよ、ずっと前からサエキさんにデートに誘われてたらしいよ。
ずっとサエキさんミナちゃんのこと狙ってたんだろうね。ミナちゃんかわいいもんね」
「・・・そうだね」
ずっと前?私と別れたいと彼が言い出した頃からだろうか。
私はグラスのお酒をぐいっとあおった。
このまま酔いつぶれてしまえばよいのかもしれない。
★★
春が過ぎ夏になっていた。
真夜中のチャイム。
こんな常識はずれの訪問者は彼しかいない。
「久しぶり、遊びにきた」
のんきにそんなことを言う彼は酔っているみたいだったがとても楽しそうだった。
彼はコンビニの袋を私に押し付けた。
缶ビールやつまみなどが入っていた。
「ご機嫌みたいね」
「さっきまで営業の奴と飲んでた」
「まだこれ、飲むの?」
「・・それもいいけどお前のほうがいいかな」
次の瞬間、乱暴に私は彼に押し倒されていた。
冷たいフローリングの感触、いつになく手荒な動作に私は悲しくなっていた。
いつのまにか寝てしまった彼をベッドに残し私はひとり浴室に向かった。
涙がとまらなかった。
声を出して泣いていた。
流れ続けるシャワーを浴びても私の心があたたまることはなかった。
彼が眠りに落ちる前につぶやいた言葉にうちのめされていた。
『・・・ミナ・・・』
きっと私は彼にとって都合のいい女になったのだろう。
いつでも抱けて文句ひとついわない女。
恋人から友達への降格。
本当はわかっていたのだ。
何もかも前とは違ってしまっていたのだということを。
→
彼が誰と付き合おうとそれをやめてとは言えない、
要するに彼を束縛することができない、
これが恋人から友達になるということですよね。
もちろんお互いに思いを残していない二人なら本当の意味での友達になることはできるかもしれません。
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