俺じゃだめか
2008-02-29
彼女の本気の抵抗にむなしさを感じつつ、
それでも俺はラストのチャンスにかけた。
嫌がる両腕を俺のネクタイで縛り上げ
怯えて涙を流す彼女をみつめた。
彼女を乱暴に押し倒した。
欲望のままのキス
自分よがりの抱擁
偽りのメイクラブ
彼女から返してくれる優しさは何一つなかった。
いつか二人で選んだブルーのソファーの上で
彼女は全てをあきらめたかのように静かに目を閉じていた。
まるで人形のようだった。
「目、開けて」
俺は自己嫌悪に苛まれていた。
こんなことをしても彼女はもう戻ってはこないのだ。
傷つけてしまっただけだ。
彼女の長いまつげは涙に濡れていた。
それでも見開いたその瞳は強くて彼女の心の中のようだった。
俺を好きだと愛してると言ってくれた彼女はもうそこにはいないのだろう。
俺は彼女の拘束を解いてやり
彼女を抱き起こし彼女を自分の胸に引き寄せた。
冷たい空気が俺を包みこんだ。
拒絶なのか俺への哀れみなのか
とにかく彼女はおれを全身全霊で否定していた。
「そんなに震えるほど、俺が嫌いか?」
「ごめんなさい。やっぱり無理なの。好きなの、あの人のこと・・あなたの友達なのに。
心変わりしたのは・・・悪いのは・・私なんだから、私の事はもう捨てて」
彼女は自分の言葉に酔うように捨ててくれといい続けた。
そうしてひとしきり泣き続け、やがて彼女は帰り支度を始めた。
俺はグラスにバーボンをそそぎ一口飲んだ。
強い酒も俺を救ってはくれないのだろう。
「・・・あいつさ、ずっとつきあってる彼女いるぞ、それでもいいのか?」
「・・・それでも、いい、振り向いてくれなくてもいい」
「それでいいのかよ。今までどおり俺といればいいだろ?俺よりあいつが好きでもいいよ。俺はお前が好きだから」
彼女は息をのみ、何度も何度も俺に深く頭を下げた。
そしてさよなら、いままでありがとうと言って部屋を出て行った。
はかないけれど綺麗な笑顔だった。
俺への彼女からの最後のプレゼントなのかもしれない。
なあ、俺じゃ、だめなのか・・・・・
俺のつぶやきは雨音にかき消された。
→
心を縛り付けておける呪文があったらいいのに
それでも俺はラストのチャンスにかけた。
嫌がる両腕を俺のネクタイで縛り上げ
怯えて涙を流す彼女をみつめた。
彼女を乱暴に押し倒した。
欲望のままのキス
自分よがりの抱擁
偽りのメイクラブ
彼女から返してくれる優しさは何一つなかった。
いつか二人で選んだブルーのソファーの上で
彼女は全てをあきらめたかのように静かに目を閉じていた。
まるで人形のようだった。
「目、開けて」
俺は自己嫌悪に苛まれていた。
こんなことをしても彼女はもう戻ってはこないのだ。
傷つけてしまっただけだ。
彼女の長いまつげは涙に濡れていた。
それでも見開いたその瞳は強くて彼女の心の中のようだった。
俺を好きだと愛してると言ってくれた彼女はもうそこにはいないのだろう。
俺は彼女の拘束を解いてやり
彼女を抱き起こし彼女を自分の胸に引き寄せた。
冷たい空気が俺を包みこんだ。
拒絶なのか俺への哀れみなのか
とにかく彼女はおれを全身全霊で否定していた。
「そんなに震えるほど、俺が嫌いか?」
「ごめんなさい。やっぱり無理なの。好きなの、あの人のこと・・あなたの友達なのに。
心変わりしたのは・・・悪いのは・・私なんだから、私の事はもう捨てて」
彼女は自分の言葉に酔うように捨ててくれといい続けた。
そうしてひとしきり泣き続け、やがて彼女は帰り支度を始めた。
俺はグラスにバーボンをそそぎ一口飲んだ。
強い酒も俺を救ってはくれないのだろう。
「・・・あいつさ、ずっとつきあってる彼女いるぞ、それでもいいのか?」
「・・・それでも、いい、振り向いてくれなくてもいい」
「それでいいのかよ。今までどおり俺といればいいだろ?俺よりあいつが好きでもいいよ。俺はお前が好きだから」
彼女は息をのみ、何度も何度も俺に深く頭を下げた。
そしてさよなら、いままでありがとうと言って部屋を出て行った。
はかないけれど綺麗な笑顔だった。
俺への彼女からの最後のプレゼントなのかもしれない。
なあ、俺じゃ、だめなのか・・・・・
俺のつぶやきは雨音にかき消された。
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心を縛り付けておける呪文があったらいいのに
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