あなたを連れ去りたい
2008-03-10
春爛漫、年上のあなたと出会った瞬間、俺は恋に落ちた。
桜の花と戯れているあなたはとても綺麗だった。
それは桜がみせた幻想だったのかもしれない。
あなたの白い華奢な指にはプラチナリングがあった。
「はずせよ、それやだ」
俺はまるで子どものようだった。
あなたは少し困ったような顔をしたけれど決心したように指輪をはずした。
俺はまるで二度と離さないとでもいうかのようにあなたを強く抱きしめた。
時間が止まればいい。
永遠にあなたをこの腕の中に閉じ込めておきたい。
あなたは家で嘘ばかりつくようになったと俺に言った。
笑ってはいたけれど酷くつらそうな顔をするようになった。
「出てくるの大変なんだろ?無理してるよね?」
「・・うん・・でも、会いたいから・・・」
★★
朝目覚めたらあなたがいた。
俺は幸せというものを実感していた。
何度も夢みた光景だった。
最大級の無理をさせて実現させた旅行
何度も好きと繰り返し
ワインで乾杯し
唇に感じるあなたの吐息。
飛び切りの笑顔で俺の心を揺さぶるあなた。
あなたといると溺れそうだ。
もう何もいらない。
あなただけが欲しかった。
御伽噺のような街並みを
煌く大地を
輝く空を
悠久の海を
あなたと歩いたこの道を俺は一生忘れないだろう。
帰りの駅で別れ際、
「じゃあまた、メールするよ」
俺はいつものようにそう言った。
「ありがとう」とつぶやき、あなたは軽く俺に手をふった。
俺は下手なウインクをしてみせた。
そしてそれきりあなたは俺の前から消えた。
風の噂であなたの夫が外国に転勤になったときいた。
あれから何年たったのか。
こうして今年もあの桜の樹の前に立っていた。
ひとひらの花びらが俺の手の平にはらりと落ちた。
それはまるであなたのようにはかなく美しい。
ありがとう
彼女の最後の言葉がリフレインした。
→
二人の恋は幻ではないですよね。
そこには確かな愛が存在していたはずです。
彼女の心の中にはいまでもあなたがいるはずです。
桜の花と戯れているあなたはとても綺麗だった。
それは桜がみせた幻想だったのかもしれない。
あなたの白い華奢な指にはプラチナリングがあった。
「はずせよ、それやだ」
俺はまるで子どものようだった。
あなたは少し困ったような顔をしたけれど決心したように指輪をはずした。
俺はまるで二度と離さないとでもいうかのようにあなたを強く抱きしめた。
時間が止まればいい。
永遠にあなたをこの腕の中に閉じ込めておきたい。
あなたは家で嘘ばかりつくようになったと俺に言った。
笑ってはいたけれど酷くつらそうな顔をするようになった。
「出てくるの大変なんだろ?無理してるよね?」
「・・うん・・でも、会いたいから・・・」
★★
朝目覚めたらあなたがいた。
俺は幸せというものを実感していた。
何度も夢みた光景だった。
最大級の無理をさせて実現させた旅行
何度も好きと繰り返し
ワインで乾杯し
唇に感じるあなたの吐息。
飛び切りの笑顔で俺の心を揺さぶるあなた。
あなたといると溺れそうだ。
もう何もいらない。
あなただけが欲しかった。
御伽噺のような街並みを
煌く大地を
輝く空を
悠久の海を
あなたと歩いたこの道を俺は一生忘れないだろう。
帰りの駅で別れ際、
「じゃあまた、メールするよ」
俺はいつものようにそう言った。
「ありがとう」とつぶやき、あなたは軽く俺に手をふった。
俺は下手なウインクをしてみせた。
そしてそれきりあなたは俺の前から消えた。
風の噂であなたの夫が外国に転勤になったときいた。
あれから何年たったのか。
こうして今年もあの桜の樹の前に立っていた。
ひとひらの花びらが俺の手の平にはらりと落ちた。
それはまるであなたのようにはかなく美しい。
ありがとう
彼女の最後の言葉がリフレインした。
→
二人の恋は幻ではないですよね。
そこには確かな愛が存在していたはずです。
彼女の心の中にはいまでもあなたがいるはずです。
そのひとことが言えない
2008-03-10
失恋してからというものもう何年も恋とは無縁の私は心配性の友達に
合コンとやらに引っ張り出された。
いつのまにやら即席カップルができているようだ。
そのノリについていけず私は上手に笑ってみることもとっくにあきらめ
孤独モードを愛する猫のようになっていた。
「・・・ここ抜けない?」
サラサラの黒髪と切れ長の瞳の持ち主が微笑んでいた。
私は甘すぎる偽カクテルをそっとテーブルに置いて彼をみつめ首を縦にふっていた。
こぎれいなバーで今度は本格的なお酒に酔いしれた。
彼のはなしはおもしろく私となかなか趣味が合うこともわかった。
彼に手をひかれ、いつのまにかタクシーに乗せられ彼の部屋に来ていた。
「ギター弾くの?」
「ああ、バンドやってるんだよ。さっきのやつらと」
「・・・かっこいいね」
ソファに座っている私の肩を抱き寄せ
「みなとちゃんは綺麗だね」と囁いた。
それが合図、かすかに香る彼の香り。
今日はじめて会った男の部屋にあがり
つかの間のぬくもりを求めて彼との夜を過ごす。
全てはこの香りのせいなのだろう。
忘れたはずのあの人と同じ香水は私の理性を狂わせるには十分だった。
★★
半年が過ぎた。
穏やかな風ときらめく太陽の中、私は遠くの海をみていた。
「何考えてる?みなとは時々そんなふうな目をしているな」
「そう?ぼっとしてるだけ、きっと」
彼は変わらぬ優しさを私にくれるけれども私は自分の気持ちを何一つ
彼に告げていない。
私はこうして指摘されるようにいまだに薄れゆくあの人の面影を
追っているとでもいうのだろうか。
「俺たちさ、いつになったら本物になれるんだろう?」
彼は寂しそうな表情をした。
「本物?」
「俺は誰の代わり?」
「ち、ちがう・・・」
私は涙をこぼしていた。
ふいに蘇るあの人の言葉。
心変わりをして私ではない女性を選んだあの人。
【みなと、お前、俺のこと好きだとか言わなかったよな。
結構寂しかったよ、
お前の気持ち全然わからなくて。
だから甘えてくれる奴のほうがかわいかったんだ】
私はまた大切な人を失うのだろうか。
うまく言葉にできずに私は沈黙してしまった。
甘えるのが下手で素直になれない。
ひとことでいいのだ。
好きだと、愛してるとそう言えばいいのだ。
「泣かないで。もういいから、ごめん、変なこと言ったな、俺」
「・・・ごめん、あやまるのは私のほう」
私は彼のシャツのすそをつかみ、彼に抱きついていた。
彼は私の髪に触れた。
「俺はみなとのことしか考えてない」
「私もそうだよ。好き・・好きなのはあなただけだから」
→
想いは言葉にして形にして意識して伝えていかないとすれ違うことが多くなりますね。
合コンとやらに引っ張り出された。
いつのまにやら即席カップルができているようだ。
そのノリについていけず私は上手に笑ってみることもとっくにあきらめ
孤独モードを愛する猫のようになっていた。
「・・・ここ抜けない?」
サラサラの黒髪と切れ長の瞳の持ち主が微笑んでいた。
私は甘すぎる偽カクテルをそっとテーブルに置いて彼をみつめ首を縦にふっていた。
こぎれいなバーで今度は本格的なお酒に酔いしれた。
彼のはなしはおもしろく私となかなか趣味が合うこともわかった。
彼に手をひかれ、いつのまにかタクシーに乗せられ彼の部屋に来ていた。
「ギター弾くの?」
「ああ、バンドやってるんだよ。さっきのやつらと」
「・・・かっこいいね」
ソファに座っている私の肩を抱き寄せ
「みなとちゃんは綺麗だね」と囁いた。
それが合図、かすかに香る彼の香り。
今日はじめて会った男の部屋にあがり
つかの間のぬくもりを求めて彼との夜を過ごす。
全てはこの香りのせいなのだろう。
忘れたはずのあの人と同じ香水は私の理性を狂わせるには十分だった。
★★
半年が過ぎた。
穏やかな風ときらめく太陽の中、私は遠くの海をみていた。
「何考えてる?みなとは時々そんなふうな目をしているな」
「そう?ぼっとしてるだけ、きっと」
彼は変わらぬ優しさを私にくれるけれども私は自分の気持ちを何一つ
彼に告げていない。
私はこうして指摘されるようにいまだに薄れゆくあの人の面影を
追っているとでもいうのだろうか。
「俺たちさ、いつになったら本物になれるんだろう?」
彼は寂しそうな表情をした。
「本物?」
「俺は誰の代わり?」
「ち、ちがう・・・」
私は涙をこぼしていた。
ふいに蘇るあの人の言葉。
心変わりをして私ではない女性を選んだあの人。
【みなと、お前、俺のこと好きだとか言わなかったよな。
結構寂しかったよ、
お前の気持ち全然わからなくて。
だから甘えてくれる奴のほうがかわいかったんだ】
私はまた大切な人を失うのだろうか。
うまく言葉にできずに私は沈黙してしまった。
甘えるのが下手で素直になれない。
ひとことでいいのだ。
好きだと、愛してるとそう言えばいいのだ。
「泣かないで。もういいから、ごめん、変なこと言ったな、俺」
「・・・ごめん、あやまるのは私のほう」
私は彼のシャツのすそをつかみ、彼に抱きついていた。
彼は私の髪に触れた。
「俺はみなとのことしか考えてない」
「私もそうだよ。好き・・好きなのはあなただけだから」
→
想いは言葉にして形にして意識して伝えていかないとすれ違うことが多くなりますね。
コンビニラブ
2008-03-07
いらっしゃいませ!
深夜のコンビニに響き渡る彼の声。
ポケットにはネームプレート。
長身細身、黒髪の小顔。
向井君は本日も綺麗な営業スマイルを浮かべていた。
他に客はいなかった。
私はいつものように無糖の缶コーヒーとサンドイッチをレジに差し出した。
レシートと釣銭を渡される。
毎日のように繰り返される私と彼とのやりとり。
もう一年くらいになるだろう。
店員と客。
そんなあたりまえのことでさえ、私の胸は高鳴ってしまうのだ。
私が店を出ようとすると彼に呼び止められた。
「あの、俺、今週一杯でここ辞めるんです」
「えっ?」
初めて交わした会話が別れの言葉なのか。
私はひどく動揺していた。
「それで、もう、お客さんとは会えないかもしれないので・・・」
彼はまっすぐに私をみつめ少し照れたように笑った。
「・・・・・・」
「すみません、呼び止めてしまって。なんか、俺、何言ってんだろう・・」
「・・・ああ、ううん、寂しくなる・・」
私はつい本音を吐いてしまっていた。
「本当ですか!」
彼は少し驚いたように私を見て、あわてたようにレジから出てきた。
「あの・・・メ・・メル・・メルアド教えてもらえませんか?」
彼は真っ赤になってブルーの携帯をポケットから出して私に向けた。
私もがちがちに固まってしまいながらも機械仕掛けの人形のように
自分の携帯を彼に差し出していた。
通信完了。お互いのデータが送信された。
彼はすばやくメールを打っている。
すぐに私の着メロがなった。
私はメールを開いた。
【ずっと憧れてました。毎日メールしていいですか。慧】
おそらく私の顔は熟したトマト色に変わっていただろう。
「け・・い君?」
「はい」
私はそのメールに返信した。
【嬉しいよ。俺もずっと君を見てたから・・】
→
好きになったら性別なんてそんなの関係ないですよね。
深夜のコンビニに響き渡る彼の声。
ポケットにはネームプレート。
長身細身、黒髪の小顔。
向井君は本日も綺麗な営業スマイルを浮かべていた。
他に客はいなかった。
私はいつものように無糖の缶コーヒーとサンドイッチをレジに差し出した。
レシートと釣銭を渡される。
毎日のように繰り返される私と彼とのやりとり。
もう一年くらいになるだろう。
店員と客。
そんなあたりまえのことでさえ、私の胸は高鳴ってしまうのだ。
私が店を出ようとすると彼に呼び止められた。
「あの、俺、今週一杯でここ辞めるんです」
「えっ?」
初めて交わした会話が別れの言葉なのか。
私はひどく動揺していた。
「それで、もう、お客さんとは会えないかもしれないので・・・」
彼はまっすぐに私をみつめ少し照れたように笑った。
「・・・・・・」
「すみません、呼び止めてしまって。なんか、俺、何言ってんだろう・・」
「・・・ああ、ううん、寂しくなる・・」
私はつい本音を吐いてしまっていた。
「本当ですか!」
彼は少し驚いたように私を見て、あわてたようにレジから出てきた。
「あの・・・メ・・メル・・メルアド教えてもらえませんか?」
彼は真っ赤になってブルーの携帯をポケットから出して私に向けた。
私もがちがちに固まってしまいながらも機械仕掛けの人形のように
自分の携帯を彼に差し出していた。
通信完了。お互いのデータが送信された。
彼はすばやくメールを打っている。
すぐに私の着メロがなった。
私はメールを開いた。
【ずっと憧れてました。毎日メールしていいですか。慧】
おそらく私の顔は熟したトマト色に変わっていただろう。
「け・・い君?」
「はい」
私はそのメールに返信した。
【嬉しいよ。俺もずっと君を見てたから・・】
→
好きになったら性別なんてそんなの関係ないですよね。
風変わりな彼女
2008-03-05
今月は後頭部がやたらと盛り上がった金髪にピアスだ。
化粧もしているようだ。
先月はもう少しおとなしめの茶髪だった。
その前はFF7の主人公みたいな髪型をしていた。
彼女はカメレオン。
俺はイヤフォンで音楽を聴きながら、
文庫本を読みつつさきほど乗ってきた彼女をさりげなく観察していた。
同時刻いつも同じ車両に乗ってくる女子高生。
大きな黒い目と桜色の唇とそしてそばかすがかわいい。
彼女もよく本を読んでいた。
カバーはかけていない。
今朝はルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインときたか。
哲学とか心理学とかがどうやらお好みらしい。
俺と彼女の降りる駅は同じだ。
彼女は高校へ俺は大学へそれぞれ向かうのだ。
予想通り新しい彼氏?らしき男が駅で彼女を待っていた。
金髪にピアスの男だった。
茶髪の男とは別れたのだろう。
★★
あれから半年が過ぎていた。
彼女の髪はストレートの黒髪になっていた。
このパターンは意外にも初めてみるが
よく似合っているのではないかと思う。
そしてノンフレームのめがね、
彼女も今朝は音楽を聞いているらしい。
耳にはイヤフォン。
ピアスも化粧もしていない。
今朝は数学の参考書に目を通していた。
テスト期間なのかもしれない。
駅に着き、俺と彼女は下車した。
俺は彼女の後ろをゆっくりと歩いていた。
不意に彼女が振り返った。
「あの・・・」彼女はにっこりと微笑んだ。
俺はいつものクールといわれ続けている得意の表情をつくることができずにいた。
みっともなくうろたえていた。不意打ちの彼女の笑顔だった。
「・・・何?」
「いつも何を聞いているのですか?
良かったらおすすめとか教えてください」
ストレートの黒髪とめがねとイヤフォン
俺の日常が俺のスタイルがその日モノトーンから薔薇色に変わった。
→
彼女を自分色に染めてあげましょう。(笑い)
化粧もしているようだ。
先月はもう少しおとなしめの茶髪だった。
その前はFF7の主人公みたいな髪型をしていた。
彼女はカメレオン。
俺はイヤフォンで音楽を聴きながら、
文庫本を読みつつさきほど乗ってきた彼女をさりげなく観察していた。
同時刻いつも同じ車両に乗ってくる女子高生。
大きな黒い目と桜色の唇とそしてそばかすがかわいい。
彼女もよく本を読んでいた。
カバーはかけていない。
今朝はルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインときたか。
哲学とか心理学とかがどうやらお好みらしい。
俺と彼女の降りる駅は同じだ。
彼女は高校へ俺は大学へそれぞれ向かうのだ。
予想通り新しい彼氏?らしき男が駅で彼女を待っていた。
金髪にピアスの男だった。
茶髪の男とは別れたのだろう。
★★
あれから半年が過ぎていた。
彼女の髪はストレートの黒髪になっていた。
このパターンは意外にも初めてみるが
よく似合っているのではないかと思う。
そしてノンフレームのめがね、
彼女も今朝は音楽を聞いているらしい。
耳にはイヤフォン。
ピアスも化粧もしていない。
今朝は数学の参考書に目を通していた。
テスト期間なのかもしれない。
駅に着き、俺と彼女は下車した。
俺は彼女の後ろをゆっくりと歩いていた。
不意に彼女が振り返った。
「あの・・・」彼女はにっこりと微笑んだ。
俺はいつものクールといわれ続けている得意の表情をつくることができずにいた。
みっともなくうろたえていた。不意打ちの彼女の笑顔だった。
「・・・何?」
「いつも何を聞いているのですか?
良かったらおすすめとか教えてください」
ストレートの黒髪とめがねとイヤフォン
俺の日常が俺のスタイルがその日モノトーンから薔薇色に変わった。
→
彼女を自分色に染めてあげましょう。(笑い)
まだこんなにも好き
2008-03-04
アクセサリーケースの金の指輪。
それはとてもシンプルなものではあるけれど今も静かに輝いていた。
手に取ってみた。
手のひらがほんの少しあたたかくなった。
目を閉じれば鮮やかに彼の笑顔を思い浮かべることができた。
こんなにもまだ彼のことを思っている。
★・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・★
「誕生日おめでとう」
彼はニコニコしながらあけてみな、と続けた。
水色のリボンをはずして箱をあけた。
おもいがけないリングだった。
ずっとずっと片思いのほとんどあきらめていた恋だったから、
嬉しくて言葉にできなくて私は涙をぽろぽろ流していた。
彼は少し照れたような顔をしていた。
愛して愛されて
多くの言葉とたくさんの素敵なものを彼からもらった。
あのころの私は世界一幸せな女の子だった。
でも、幸せは長くは続かなかった。
夏が来て秋がきてそして冬がきた。
あの子が再び彼の前に現れて私の大切な彼を奪っていった。
つまり彼は元彼女とよりを戻したのだ。
邪魔な存在なのはこの私のほうなのだ。
けれども彼は気まぐれな彼女をもてあますと私のところにくることもあった。
「あいつといると疲れる、でも、お前といると安らぐよ」
いたずらに私の心をかき乱し期待させ突き落とし私を酷く優しく抱くのだった。
「大丈夫?、セナ?やせすぎだよ、ちゃんと食べてないんじゃないの」
「・・大丈夫、心配してくれてありがと」
「みてらんないよ、もう、あの二股馬鹿男と別れなよ」
「そうしたい、でもどうしょうもない」
「セナ、ちゃんといわなきゃだめだよ。セナと彼女とどっちが好きなのかあいつに聞きなよ」
親友ユイの声はいつしか涙声になっていた。
「うん、・・そうだよね、もう終わらせないといけないんだよね」
私は震える声で彼に電話をした。
明日夕方3時にいつも二人で会っていた海の近くのカフェに来て欲しいとお願いをした。
「明日?行けるかどうかわかんないよ」」
彼ののんびりした声、傍らには彼女がいるのかもしれない。
翌日は快晴だった。
私は彼からもらったリングをつけて家を出た。
3時、4時、5時、彼は来なかった。
私は店を出た。
やはり来なかった。
予想はしていたもののこれが現実だと思うととても悲しくて涙が止まらなかった。
あれほど晴れていた空があっという間に雲に覆われた。
雨。
ぼつりぼつり涙みたいな雨が私の心にも降り注ぐ。
涙なのか雨なのか。
降り続く雨の中で私の恋は終わった。
「馬鹿セナ!風邪ひいたらどうすんのよ」
傘とタオル、差し出してくれたのは、ユイだった。
「熱だしてすっきりしたら馬鹿も治るかなあ」
私はなんとか笑顔を作ってみた。
セナ、誕生日おめでとう
雨降る空から神様の祝福の声が聞こえたような気がした。
→
ずっと好きでもいいですよね。
彼を好きで、そして、愛して愛された記憶は永遠にあなたの心にあるのでしょう。
それはとてもシンプルなものではあるけれど今も静かに輝いていた。
手に取ってみた。
手のひらがほんの少しあたたかくなった。
目を閉じれば鮮やかに彼の笑顔を思い浮かべることができた。
こんなにもまだ彼のことを思っている。
★・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・★
「誕生日おめでとう」
彼はニコニコしながらあけてみな、と続けた。
水色のリボンをはずして箱をあけた。
おもいがけないリングだった。
ずっとずっと片思いのほとんどあきらめていた恋だったから、
嬉しくて言葉にできなくて私は涙をぽろぽろ流していた。
彼は少し照れたような顔をしていた。
愛して愛されて
多くの言葉とたくさんの素敵なものを彼からもらった。
あのころの私は世界一幸せな女の子だった。
でも、幸せは長くは続かなかった。
夏が来て秋がきてそして冬がきた。
あの子が再び彼の前に現れて私の大切な彼を奪っていった。
つまり彼は元彼女とよりを戻したのだ。
邪魔な存在なのはこの私のほうなのだ。
けれども彼は気まぐれな彼女をもてあますと私のところにくることもあった。
「あいつといると疲れる、でも、お前といると安らぐよ」
いたずらに私の心をかき乱し期待させ突き落とし私を酷く優しく抱くのだった。
「大丈夫?、セナ?やせすぎだよ、ちゃんと食べてないんじゃないの」
「・・大丈夫、心配してくれてありがと」
「みてらんないよ、もう、あの二股馬鹿男と別れなよ」
「そうしたい、でもどうしょうもない」
「セナ、ちゃんといわなきゃだめだよ。セナと彼女とどっちが好きなのかあいつに聞きなよ」
親友ユイの声はいつしか涙声になっていた。
「うん、・・そうだよね、もう終わらせないといけないんだよね」
私は震える声で彼に電話をした。
明日夕方3時にいつも二人で会っていた海の近くのカフェに来て欲しいとお願いをした。
「明日?行けるかどうかわかんないよ」」
彼ののんびりした声、傍らには彼女がいるのかもしれない。
翌日は快晴だった。
私は彼からもらったリングをつけて家を出た。
3時、4時、5時、彼は来なかった。
私は店を出た。
やはり来なかった。
予想はしていたもののこれが現実だと思うととても悲しくて涙が止まらなかった。
あれほど晴れていた空があっという間に雲に覆われた。
雨。
ぼつりぼつり涙みたいな雨が私の心にも降り注ぐ。
涙なのか雨なのか。
降り続く雨の中で私の恋は終わった。
「馬鹿セナ!風邪ひいたらどうすんのよ」
傘とタオル、差し出してくれたのは、ユイだった。
「熱だしてすっきりしたら馬鹿も治るかなあ」
私はなんとか笑顔を作ってみた。
セナ、誕生日おめでとう
雨降る空から神様の祝福の声が聞こえたような気がした。
→
ずっと好きでもいいですよね。
彼を好きで、そして、愛して愛された記憶は永遠にあなたの心にあるのでしょう。



